今回制作する不動明王坐像は、台座を瑟瑟座とします。
材料となる檜をおおまかに製材し、仮に組み上げてみたところです。台座と言えども大量の材料を要します。
上にちょこんと乗っているのが、5分の1の大きさで試しに造ってみたマケットです。
瑟瑟座は、岩を抽象的に表現した絶妙な形体をしています。
幾通りの大きさや比率を試してみましたが、この形に落ち着きました。
凸部分に別材を張り付けて造る方法もありますが、全て切り込みでこの凸凹の形体を造ることにしました。これは彫刻的な考え方の基本であり、非常に贅沢な制作方法です。
不動明王は、光背に火焔光を表します。
数十枚のデッサンを行って、その中からこの意匠を選びました。寸法は、高さ4尺3寸(約130cm)横幅3尺4寸5分(約105cm)です。
本物の炎を参考にすると勢いのある火焔が表現できそうです。川原でバーベキューをしなければ!
不動明王坐像の主要部材の木取りです。
像高2尺9寸(頂蓮含め約88cm)、膝張り2尺4寸(約73cm)に設定しました。
それにしても欅は堅い。。。檜の柔軟さを実感します。
火焔光の木取りを済ませた状態です。
檜を板状に製材し、墨で罫描いて大まかな輪郭を切り落としました。
いよいよ鑿を入れるところまで来ましたが、しばらくは本体と台座を進めることにします。。
ある程度荒彫りが進みました。
等身大の不動明王は迫力があり、彫っていても圧倒されそうです。。
全体の画像です。少しずつ彫り進めています。
頭体幹部に背刳りを施し、墨書を書きました。像内に大きな空洞ができたことになります。
画像上方の梵字は、カーン、不動明王を意味します。場所はちょうど胸の内側にあたります。ほか「平成十六年 佛師清作 助手 稲田憲昭 内刳り 阿部亮太郎」です。
背中に取り付ける背板の内側です。背板の役目は、施した背刳りに蓋をするためでもあります。
「不動明王 瑞応寺 中島剣山住職 隆太副住職 発願」と記しました。
画像には写っていませんが膝前の像底内刳り部分には「瑞応寺境内欅ヨリ彫出ス」と書いてあります。
細部の形を彫っていく段階です。頂蓮、弁髪、持物の剣と羂索などをつけて、仮組みをしてみました。
徐々に不動明王らしくなってきたように思います。。
仕上げ前の全体像です。まだまだ時間がかかりそうです。
マニュアルカメラのピント合わせのような感覚で仕上げていきます。
彫りは完成しました。これから漆を塗って下地を造り、古色彩色を施していきます。
彩色の途中経過です。
彩色途中経過の画像とは撮影環境が異なったため、色味に違いがありますが、こちらのほうが印象は近いと思われます。
この後、梱包搬送安置へと続きます。お寺の境内で育った欅が不動明王に姿を変えて、再び元の場所に戻ることになります。